何軒か物件を見て回り、ようやく気になる中古戸建てが見つかった。
立地も広さも希望に近く、ここで暮らすイメージも持てる。でも、購入を決めようとすると、少し心配になる。
- 「大雨や地震のときは大丈夫だろうか」
- 「きれいに見えるけれど、建物の状態はどうなのだろう」
- 「住み始めてから、思った以上に修理費用がかからないだろうか」
そんなときは、その家について確かめたいことと、必要な対応・費用を整理すると、判断がしやすくなります。
気に入った立地や間取りなど、その家のよさも大切にしながら考えていきましょう。
私は中古戸建てをご案内するとき、周辺の土地や災害の情報から、建物の構造、室内や設備へと順に確認しています。
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1.大雨のとき、土地や周辺に心配はないか
まずは、自治体のハザードマップで、候補の土地に洪水や内水、土砂災害のリスクが想定されているかを確認します。内水とは、大雨で排水が追いつかず、道路や住宅地などに水がたまることです。
ハザードマップは、災害への備えを考えるための大切な資料です。地図の情報と、現地の土地や排水の状況、過去の被害履歴をあわせて確認します。
私は、道路や隣の土地との高低差、雨水が集まりそうな窪地ではないか、排水設備はどうなっているかなども現地で確認してご案内しています。
また、役所で、周辺に道路冠水や床下浸水、床上浸水の被害履歴があるかを、自治体が把握している範囲で確認します。 売主にも、過去の浸水について聞いておきたいところです。[2]
高台や斜面の近くでは、土砂災害の情報や、土を支える壁である「擁壁」の状態も確認します。擁壁の構造や状態、図面・検査済証の有無を調べ、隣の土地から土や雨水が入り込むおそれがないかも見ていきます。[3]
地図や資料で分かることと、現地で確かめたいことを分けると、土地についての不安を整理しやすくなります。
2.地盤と建物の、地震への備えを確認する
地震については、土地と建物の両方を確認します。
土地については、自治体などの液状化予測図を参考にします。ただし、地域の傾向を示す地図と、その敷地を詳しく調べた結果は異なります。地盤調査や地盤改良の記録が残っていれば、あわせて確認します。[4]
建物については、売主が持っている設計図や、増改築・リフォーム・修繕の履歴を確認します。資料がない場合も、建築時期は当時の基準を知る手がかりになります。
木造住宅では、1981年6月に新耐震基準へ移行しました。さらに、在来軸組工法の木造住宅では、2000年6月に、地盤の強さに応じた基礎のつくり方、柱・筋かいなどの接合部の仕様、耐力壁の配置バランスなどが明確化されました。どの時期の基準をもとにつくられた家かを確認することも、判断材料の一つになります。[5]
例えば「築20年」と聞いたときも、建築確認関係の書類や設計図が残っているかを確かめます。柱や筋かいをどうつないでいるか、地震に抵抗する壁が偏っていないかを確認することが、耐震性を考える手がかりになります。
現地では、基礎や壁・柱のひび割れ、床の傾き、土台などの木材の傷みを、確認できる範囲で見ます。ひび割れがあれば、表面の仕上げに限られるものか、基礎のコンクリート部分まで及んでいるかなどを確かめます。大きさや位置、出方を見て、追加の確認が必要かを考えます。
地震の力に抵抗する「耐力壁」の配置バランスも、図面があれば現在の間取りと照らし合わせて確認します。間取りを変えた履歴がある場合は、変更内容も確かめたいところです。
建築時期、資料、現在の状態をあわせて確認し、分かったことと、耐震診断など追加の調査が必要なことを分けてご案内します。
3.屋根・外壁・床下などの状態と、点検のしやすさを見る
屋根や外壁の補修時期、雨漏りの跡や履歴、バルコニーの防水部分の傷みなども確認します。
外壁では、目地や窓まわりなど、雨水が入りやすい部分の傷みも見ます。リフォーム済みの家なら、内装・設備・外装のどこまで工事したかを、工事記録や売主への確認で確かめたいところです。
床下の湿気対策では、基礎の高さや、空気が通る仕組みも見ておきたいところです。
私は、基礎の外周全体で、地面から基礎の上端までの高さを見て、30cm未満の部分がないかを確認してご案内しています。
基礎の高さは、床下の状態を考えるための一つの確認項目です。低い部分では、周囲の地面との関係や、床下の湿気・木材の傷みなどもあわせて確認します。換気口や、通気を確保する基礎パッキンなどの状態も見ます。基礎断熱工法など、床下に外気を入れないつくり方の場合は、その工法に応じて確認します。
あわせて、床下や屋根裏を確認するための「点検口」があるか、実際に中を確認できるかも見ます。点検口がない場合や、収納・配管などで視界が遮られる場合は、内部を十分に調べられないことがあります。[7]
今の状態に加えて、購入後に点検や手入れをしやすいかも、見ておきたいポイントです。
4.室内や設備は、そのまま気持ちよく使えるか
室内では、畳や床の傷み、水まわりの状態、設備の交換時期などを確認します。
給湯器などは、売主に交換時期を聞いておくと、今後の設備交換を考える参考になります。古い設備や交換時期が分からない設備は、入居後の交換に備えて資金を残しておきたいところです。
キッチンや洗面室、浴室は、機能面で使えるかに加えて、ご家族が気持ちよく使えるかも考えてみましょう。
- そのまま使いたい
- 使えるけれど、入居前に交換したい
- しばらく暮らしてから考えたい
希望はご家庭によって違います。
不具合への対応と、ご家族の希望によるリフォームを分けると、必要な工事と費用を整理しやすくなります。
5.購入とリフォームを合わせて、無理のない予算か
リフォームをしてから住みたい場合は、物件価格、購入時の諸費用、工事費用を合わせて考えます。
そのうえで、手元の資金をどのくらい残すか、住宅ローンをどう組むかを検討します。例えば、次のような選択肢があります。
- 頭金などに使う自己資金との配分を調整し、リフォームや設備交換に備える現金を残す
- 条件に合えば、住宅購入とリフォームの費用をまとめて借りられる住宅ローンを利用する
購入とリフォームをまとめて融資する商品は、金融機関によって工事内容や時期などの条件が異なります。購入を決める前に、工事の概算や見積もりと、利用できるローンの条件を確認しておきましょう。[8]
「物件を買うためのお金」「住み始めるまでのお金」「その後に残すお金」を一緒に考えることが大切です。
毎月の住居費には、ローン返済に加えて、固定資産税や保険料、将来の修繕に備えるお金も見込んでおきます。借入額、毎月の負担、手元に残る資金を照らし合わせて、ご家族に無理のない方法を選びます。
確認した内容を、購入の判断につなげる
気になる点が見つかったら、次のように整理します。
- 購入前に、追加で確かめたいこと資料が足りない点や、原因の分からない傷みなどについて、何を調べれば判断できるかを考えます。
- 修繕の内容と費用を確認したいこと入居前に必要な修繕と、希望するリフォームを分け、対応方法や費用を確かめます。
- 入居後の手入れとして考えられること対応の必要性や時期を確認したうえで、今後の点検・修繕の計画を考えます。
その家のよさと、必要な対応、その費用を照らし合わせて、ご家族の希望や予算に合うかを考えましょう。
確認した結果、ご家族にとって負担が大きい場合は、購入を見送る選択も含めて検討します。
気になる中古戸建てについて、具体的に相談できます
- 「この家では、どこを詳しく調べればよいの?」
- 「修繕やリフォームまで含めると、予算はどうなる?」
アルカンシェルホームでは、宅地建物取引士& 二級建築士& 既存住宅状況調査技術者の岩﨑卓也が、ご相談をお受けします。
土地や建物の状態、必要な修繕、購入予算をあわせて、ご家族が判断するために確かめたいことを整理します。
これまでのお客様からは、「建築も分かる専門家の意見を聞きたかった」というお声もいただいています。建物への疑問と、購入後の暮らしや費用をつなげて考えることを大切にしています。
気になる物件のURLや販売図面があれば、「この家の、ここが気になっています」とお聞かせください。 すでに見学した中古戸建てについてもご相談いただけます。
- 資料から分かることと、現地や追加の調査で確認したいこと
- 必要な修繕と、希望するリフォームの内容
- 手元資金と毎月の返済を含めた購入予算
松戸市・柏市を中心に、ご希望に応じて、建築士と一緒に現地を見ながら確認することもできます。
建築士の同行見学では、見える範囲での状態と、詳しく調べたい箇所を整理します。建物状況調査(インスペクション)や耐震診断が必要な場合は、目的に合う調査の内容・進め方を確認します。
無理に購入を勧めることなく、「何を確かめれば、ご家族が納得して判断できるか」を、寄り添って整理します。
初回の住宅購入相談は無料です。オンライン相談にも対応しています。費用が発生するサービスは、事前に内容と料金をご案内します。
住宅購入相談の内容を見る →参考資料(自治体・国土交通省・住宅金融支援機構など)
- 松戸市「松戸市内水ハザードマップ」「松戸市土砂災害ハザードマップ」、江東区「江東区水害ハザードマップ」(計算メッシュの大きさの例)。区画の大きさ・作成条件は資料ごとに確認する。
- 松戸市「浸水履歴一覧表」「浸水実績図」。
- 国土交通省「我が家の擁壁チェックシート(案)」。現地・資料の確認項目は岩崎の見学時の確認方法に基づく。
- 千葉県「液状化しやすさ・危険度マップ、揺れやすさマップ」。
- 国土交通省「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」「建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件」。
- 住宅金融支援機構「中古住宅の技術基準の概要」「中古住宅は基礎高さが40cm以上必要ですか」「在来木造等の耐久性基準」。30cm・間隔5mは条件付きの規定であり、適用する構造・基準と床下の状態を確認する。
- 国土交通省「既存住宅インスペクション・ガイドライン」。
- イオン銀行「中古住宅のご購入とリフォームを同時にご検討中のお客さま」(購入とリフォームの一括融資が可能な商品の例として参照)。