住宅価格・金利・家賃の不安。住宅購入前に考える3つのこと
住宅価格が高い。住宅ローンの金利も気になる。最近では、「家賃が上がった」という話も聞かれるようになりました。
「家賃を払い続けるなら、住宅を購入した方がよいのだろうか」
そう考えて物件を探してみても、価格の高さや住宅ローンの返済に不安が残ります。
一方、賃貸住宅に住み続ければ、家賃や更新料の負担が居住年数に応じて積み上がります。別の賃貸住宅へ移る場合も、敷金・礼金・仲介手数料・保証料・引越し代などが必要です。
買うことにも不安があり、待つことにも負担がある。
このような状況で判断できなくなるのは、決して不自然なことではありません。
この記事では、住宅を取り巻く現在の状況を確認したうえで、「今の自分たちは何から考えればよいのか」を3つのコツに分けてご紹介します。
住宅の購入を急がせるための記事ではありません。住まいについて考えるための参考としてお読みください。
この記事で分かること
- 住宅価格・金利・家賃を取り巻く現在の状況
- 家族に合った住宅を考えるための全体像
- 予算・条件・購入時期を整理する3つのコツ
住宅価格・金利・家賃に、今何が起きている?
住宅価格は高い水準が続いている
住宅金融支援機構の「2025年度【フラット35】利用者調査」では、マンション、建売住宅、注文住宅、中古住宅など、すべての融資区分で平均所要資金が前年度を上回りました。
また、不動産経済研究所によると、2026年上半期の首都圏新築分譲マンションの平均価格は、前年同期より13.1%上昇しています。
一方、東京カンテイの2026年8月の調査では、首都圏の新築一戸建て平均価格は前月より下落し、中古一戸建ては上昇しています。
すべての地域や住宅が一律に値上がりしているわけではありませんが、住宅取得に必要な金額が高い水準にあることは、複数の調査から確認できます。
住宅ローン金利も無視できない
住宅金融支援機構が2026年1月に行った調査では、日本銀行の金融政策の変更を受け、住宅ローンの選び方などに「変化があった」と回答した人は49.7%でした。
また、回答者の73.7%が、今後1年間の住宅ローン金利について「現状よりも上昇する」と考えています。
これは将来の金利上昇を確定する数字ではありません。しかし、多くの人が金利を意識しながら、借入額や購入時期を考えていることが分かります。
家賃も一部で上がり始めている
東京カンテイによると、2026年7月の首都圏における分譲マンション賃料は前月より0.4%上昇し、直近1年間の最高値を更新しました。
ただし、千葉県では前月比0.1%の下落となっており、すべての賃貸住宅で家賃が上がっているわけではありません。
それでも、毎月の家賃が5,000円上がれば年間6万円、1万円上がれば年間12万円の負担増です。更新料が家賃を基準に決まる契約では、更新時の負担が増える可能性もあります。
住宅を購入すれば、住宅ローンに加えて税金や保険、修繕費が必要です。一方、購入せずに待つ場合も、家賃や更新料を払い続けることになります。
だからこそ、「今すぐ買うべき」「価格が下がるまで待つべき」という二択だけでは、判断しにくいのです。
結論|先行きだけに判断を預けず、無理のない条件を考える
住宅価格や金利の先行きを、正確に予測することは簡単ではありません。
そこで先に整理したいのが、次の3つです。
- 購入後も暮らしを守れる住居費はいくらか
- 立地や建物の条件を、どの程度まで調整できるか
- 家族の予定を考えたとき、いつ住まいを変えるのがよいか
市場がどう動くかだけでなく、「自分たちがどのような条件なら安心して暮らせるか」を考えることが、住宅購入の基本になります。
住宅探しの全体像|条件が重なるところに「わが家の答え」がある
住宅探しには、大きく分けて4つの要素があります。
- お金……購入予算、毎月の住居費、残しておきたい貯蓄
- 場所……通勤、通学、買い物、周辺環境、災害リスク
- 住まい……広さ、間取り、築年数、耐震性、断熱性
- 時期……子どもの進学、仕事、親との同居、賃貸住宅の更新
すべての希望が完全にそろった住宅を探すと、予算を超えたり、候補が見つからなくなったりします。
この4つの要素が重なる部分が、その家族にとっての「現時点の最適解」です。
なかでも「お金」は、最も数値で上限を決めやすい要素です。先に無理のない予算を確認すると、場所や建物、購入時期をどのように組み合わせればよいかが見えやすくなります。
コツ①|「借りられる金額」ではなく「暮らしを守れる住居費」を決める
金融機関から借りられる金額と、購入後も無理なく返し続けられる金額は、必ずしも同じではありません。
また、購入後の住居費は住宅ローンの返済だけではありません。
- 固定資産税や火災・地震保険
- 管理費・修繕積立金、または戸建住宅の修繕費
- 駐車場代や光熱費
- 教育費や車の買い替えなど、将来の支出
こうした費用を含めて、「毎月いくらまでなら、貯蓄を続けながら安心して暮らせるか」を考えます。
金利の上昇、教育費の増加、一時的な収入減少などがあっても返済を続けられるかを確認しておくことが、購入後の暮らしを守ることにつながります。
コツ②|優先順位を固定せず、バランスを調整する
住宅の条件は、単純に1位から順番を付ければ終わるものではありません。物件の魅力や注意点によって、優先する程度が変わるからです。
例えば、
- 「この間取りなら、駅から少し遠くてもよい」
- 「予算を重視したいので、築年数の古い中古住宅も検討する」
という考え方があります。
ただし、築年数の古い住宅は、価格だけでなく、耐震性、劣化状況、断熱性、改修費用などの確認が必要です。
何かを完全に諦めるのではなく、家族にとって大切なものを残しながら、ほかの条件をどの程度調整できるかを考えましょう。
コツ③|家族の年齢と予定から、購入時期を考える
住宅の購入時期は、価格や金利の動きだけでは決まりません。
次のような家族の予定も一緒に確認します。
- 住宅ローンを借りる人の年齢と完済時年齢
- 子どもの入園・入学・進学
- 親の年齢と介護や同居の可能性
- 仕事、賃貸住宅の更新、貯蓄の準備状況
例えば、子どもの小学校入学が2年後なら、入学前に住まいを決めたいと考えるご家庭もあるでしょう。
「市場にとっての買い時」だけでなく、家族が無理なく環境を変えられ、家計の準備も整う時期を探すことが大切です。
利用できる支援制度も確認する
一定の条件を満たす場合は、住宅ローン減税や「みらいエコ住宅2026事業」などを利用できる可能性があります。
住宅ローン減税は、住宅の性能、床面積、所得、借入期間などによって対象や控除内容が異なります。
みらいエコ住宅2026事業も、対象となる住宅や事業者、申請期限、予算上限などの条件があります。
補助金や減税を前提に予算を増やすのではなく、まずは制度を利用できなくても無理のない予算を決め、その後に利用できる制度を確認する順番が安心です。
※制度の内容や受付状況は変更されるため、必ず最新の公式情報をご確認ください。
整理した結果は「今すぐ購入」だけではない
住宅について整理した結果には、次のような選択肢があります。
- 現在の予算と希望条件で、住宅を探し始める
- 地域・築年数・広さなどを調整して探す
- 今は購入せず、貯蓄や住宅ローンの準備を進める
- 賃貸住宅に住み続ける、または別の賃貸住宅へ住み替える
「今は買わない」という判断も、一つの答えです。
大切なのは住宅を購入すること自体ではなく、家族が安心して暮らせる選択を見つけることです。
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所在地:千葉県松戸市日暮2-6-1 清水ビル306号室
担当:岩崎卓也
宅地建物取引士・二級建築士
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